文は人なり

フリーライター・作家の若林理央です。Twitter→@momojaponaise

貴族社会では身分が低くてもー『光る君へ』第14話考察ー

『光る君へ』第14話は、異なる場所で悲しみ悩むまひろ(紫式部)と道長が描かれた。 道長と別れて以来、どこか悲しげなまひろであったが、ようやく自分の「志」を見つける。しかしその「志」はたやすく折られてしまい、自分の甘さをも突きつけられる。 今回…

はっきりとわかった嫡妻と妾妻の違いー光る君へ第13話考察ー

「おかえりなさいませ」 当たり前のように土御門邸、つまりは嫡妻(正妻)倫子のもとへ帰ってくる道長。帰ってこない日は妾妻の明子のもとへ行っているはずだ。史実の道長なら、もっと通っている女はいるはず。 しかし道長が婿入りしたのは土御門邸であり、…

まひろはなぜ「妾になる」と言えなかった?-『光る君へ』第12話考察-

「妻になってくれ」 「北の方にしてくれるってこと?……妾(しょう)になれってこと?」 令和を生きる私たちにとって、結婚と妾は結びつかない。しかし平安時代においては、妾も妻のうちのひとりだったようだ。 逢瀬を重ね、結びつきを強めていくまひろ(紫式…

若林理央 ポートフォリオ【これまでの執筆記事】

2024年2月末 初の商業出版の書籍が刊行! 内容 タイトルは『母にはなれないかもしれない 産まない女のシスターフッド』 産む女性、産まない女性、産めない女性、そして男性。 すべての人がお互いの立場を認め合い、自由な生き方ができる世の中になるよう願い…

書籍出版と刊行記念イベントのお知らせ

いつもこのブログを読んでくださる、大切な読者の方へ。 Xとの親和性の高いnoteを中心に更新していましたが、このブログは、私にとって特別なものです。 書評を書き、執筆実績を示して、皆さまに知ってもらう。 noteとどのように分けていくかは今後の課題で…

仕事依頼に関するお知らせ

以下に関しましては、通常の場合です。 例外的に仕事をお引き受けすることもありますので、まずは以下までお問合せください。 rio.wakabayashi429☆gmail.com(☆→@) 執筆実績はこちらに記載しております。 lalecture.hatenablog.com 主にインタビュー記事や…

本を読みながら経験を語るための、序章

仕事でも書いて。 趣味でも書いて。 書いて、書いて、書いて。 辿り着くのはどこだろう。 ただ書いているうちに、重い気持ちがふっとラクになるのを感じた。 10代までの自分の重い荷物も、軽くしてあげたい。 そう思って、初めてnoteでマガジンを作って、1回…

「産まない選択」をテーマにしたイベント開催に向けて

産まない選択についてオンラインで話す会を開きます。 概要をまとめましたのでご覧ください。

一日の始まりは、一日の仕事

朝ごはんをテーマにした日記を小説にしてみました。 https://note.com/wakario/n/n08f5a6c9afb1

本棚の悲喜こもごも

本棚では、私の本たちがさまざまなやりとりをしているようです。

【告知】明日(5月29日)開催の文学フリマ東京に出店します

文学フリマ東京に出店します。 出店は2回目ですがひとりで出店するのは初めてです。 ひやかし大歓迎ですのでぜひ遊びに来てください! ー----- 日時:5月29日(日)12時~17時【入場無料!】 場所:東京流通センター第一展示場(東京モノレール「流通…

【告知】5月29日の文学フリマ東京から新刊(ZINE、情報同人誌など)を3冊発売します

2022年5月29日、文学フリマ東京で新刊を3冊出します。本日20時から予約を開始します。それぞれの概要とサンプルページへのリンクを貼っています。

傷ついたこころに寄り添う『絶望名言』

傷ついたこころに寄り添うのは、ときに後味の悪い作品であったり、芸術家が絶望の中で残した言葉だったりします。 『NHKラジオ深夜便 絶望明言』(頭木弘樹、NHKラジオ深夜便制作班著/飛鳥新社)の書評を書きました。

【天竺鼠】何かに気づかされる笑い

エンターテイメントに共感性が求められる時代になった。 小説や漫画を読んだ読者、映画やドラマ・アニメを見た視聴者がSNSで「登場人物に共感できなかった」と投稿する。 それを目にするたび、「共感しなくても味のある作品」は、わかりづらいのかと思い、わ…

1月1日のトナカイ

「いやあこの年末年始というものがね、いやでたまらない」 白いひげを撫でながら、サンタは今年もぼやく。 飲み始めてすぐなのに顔が真っ赤だ。どうせ昨夜ひとりで深酔いしたんだろう。 付き合わされるこっちの身にもなってほしいと思いながら、トナカイはカ…

町の小さな本屋の可能性 『13坪の本屋の奇跡』木村元彦

本屋が町にあふれたら。 とりとめもなく、そんな想像をすることがある。 「好きなジャンルの本は、あの本屋に行けば、最適なものが見つかる」 「今自分に必要な本がわからなければ、本屋さんに相談しよう。ぴったりのものを見つけてくれる」 町の人たちはみ…

【候補作を全部読んでみた】どうなる2019年下半期の芥川賞 後編

【執筆/2020年1月5日】 第162回芥川賞候補作をすべて読んだ。 今回の候補作の著者に、出版業界に新たな風を吹き込む純文学作家はいるのだろうか。 後編では、乗代雄介「最高の任務」と古川真人「背高泡立草」の書評を書き、候補作5作を比較したうえで、受賞…

【候補作を全部読んでみた】どうなる2019年下半期の芥川賞 前編

【執筆/2020年1月4日】 1月15日、第162回芥川賞受賞作が発表される。 私は無類の純文学好きなので、受賞作発表前に、初めて候補作全作を読むという試みをした。 芥川賞は賞レースだが、日本の出版業界の命運をにぎる純文学作家が見つかるかも知れない。期待…